初めて精神科に入院した

精神疾患を患って9年、とうとう初めて精神科に入院した。

 

一気に希死念慮が高まって、涙が止まらなくなり、本当に耐えられないと言って通っている病院を予約外受診したら、そのまま緊急入院となった。

 

初めて入院することになって精神科医に洗いざらい話したら、自分はめちゃくちゃ助けてもらいたかったんだな、ずっと抱え込んできたんだなと思って、泣いてしまった。

入院によって周りに迷惑をかけることに罪悪感を持っていたんだけど、友だちはみんな「また戻って来いよ」「回復したら今まで通り散歩にでも行こうな」と言ってくれるし、医師や親も「病院に来れて偉かったね」と言ってくれて、すごくありがたかった。

 

ここの病院の閉鎖病棟では、ありとあらゆる通信機器が使えない。スマホも当然ナースステーションで預かりになるので、インターネットから隔絶される。暇。

あとハサミやカッターも没収された。紐もだめで、履いていたスニーカーも靴紐のせいで持ち込めなかった。

病棟には突起という突起が無い。ドアノブも洗面台の蛇口もクローゼットも平面。

 

保護されて、朝に起きて夜に寝て、三食ちゃんとしたものを食べ、シャワーや歯磨きまでこなすということを久しぶりにやって、人間になってるなあと感じた。入院直前はそれが全部できなくなっていたから。入院は生きる練習をする場所みたいだった。

 

WAISという知能検査と、SCTと、PFスタディという心理検査をやった。

WAISの全検査IQは133だった。一応東大生なのであまり低い数値だったらプライド的に嫌だなと思っていたんだけど、「特に高い」という判定が出て安心した。群指数は言語理解144、ワーキングメモリ―130、処理速度130、知覚推理106だった。視覚的な情報の部分同士を組み合わせて全体を作ること、先の見通しを立てることが僕の中では苦手な分野みたいだ。

心理検査のまとめをもらったので原文を以下に載せる。

「課題遂行能力は高く、客観的で定量化されるもののように理解しやすい物事を好み、よい成果をあげられるものの、そうではない見通しの持てない、曖昧なものは不安や恐怖感を抱きやすいようである。従って、厭世的である一方で、未来志向的といった心的葛藤に対してどのように対処したらいいのかわからず、知的防衛を図る、ないしは、自傷といった自分が存在しているといった実感を持つ極端な行為となっているのであろう。その背景には、基本的な他者に対する親密さ、信頼感が十分に持てておらず、体験による自己効力感があまり持てていないことが関係しているようだ。本人も『無条件で受け止めてもらえなかった』と述懐しているように、気づいているようだ。対人場面においても、葛藤的な場面を避け、自己表出を抑えてしまうため、音楽などの芸術で自己表現を促す方が奏功するかもしれない。」

 

今回の22日間の入院では、比較的正当に負荷から逃れられたし、自分の気持ちとゆっくり向き合って多少客観化できたし、もうちょっと楽に生きていくための方法やサポートを専門家の力を借りて探ることもできそうだしで、少なくとも無意味ではなかったと思う。