双極性障害が嫌いだ

双極性障害って、結構面倒な病気なんじゃないか。これは誰かに迷惑をかけるという"面倒"ではなく(うつ状態で仕事を頻繁に休むとか、躁状態で騒ぎ散らかして警察のお世話になるとかいうのは僕は無いので)、自分の中でコントロールがつかずにどうしようもなくなる"面倒"を指す。

 

いつ発症したのか定かではないが、明らかに病的だなという感覚でいくと、双極性障害を患って7年になる。

 

最初は軽いうつ病だと思っていた。なんだか気分が落ち込んで、何もしたくなく、誰とも会いたくなく、死にたくて、リストカットをしていた。抗うつ薬を飲めばそのうち治るんじゃないかな、うつ病は治る病気だから、大学受験の疲れや大学でどうしても良い成績を残す必要があってそれがストレスになっていて、そのストレスから解放されれば(つまり学部2年生の9月になれば)だんだんと治ってくるんだろうなと軽視していた。

 

でも学部3年生になっても一向に治る気配が無い。上手く勉強している最中は幸せというか充実感があるけど、他の時は虚無感とか焦燥、不安、無気力、希死念慮ばかりでどうせならなにも感じたくなくなってしまう。そのうち希死念慮がずーーーっと続くようになってきて、大きなストレスとなる出来事があると本当に今すぐ飛び降りてしまいそうになる、そんな状態が常態化してきた。結局、学部3年生の終盤、自殺のリスクが高すぎて1,2月初めて入院するまで至った。

 

学部4年になってからはもっと悪くなった。大学院試験へのプレッシャーから、院試の倍率が10倍だから必死に勉強しつつ、ずっと死にたくて突発的に自殺しそうになって6月に入院した。双極性障害とは直接的には関係が無いが、中学2年の頃から患っている不安障害も増悪してきて10,11月にも入院した。学部3年の時に感じられていた幸せも充実感もどこかへ消え去ってしまった。

 

大学院での3年間は本当に終わっていた。学部の時は基本的に休まずに行けていた講義を半分以上休み、毎日希死念慮が酷くて苦しく、もう抗うつ薬など効かないに等しかったので強い抗精神病薬を使ってなんとか気を紛らわせていた。薬で楽にはなれなかったけど、惰性で飲んでいた。院生1年の終盤2月と、3年終盤の2,3月は自殺しそうになって入院までした。結局、あまりにも講義を休むのと、修論を書くための実験がこなせなかったので、大学院は修了できずに退学した。

 

今は完全にニートをしている。就職できない一番のネックは不安障害で外に出ることすらままならない日が多いことだが、双極性障害も僕の人生をめちゃくちゃにしてくる。ラミクタール®という気分安定薬を使うようになってからだいぶ楽になってはきたが、それでもどうしようもない希死念慮に襲われては腕をずたずたに切ってしまう。意識があるのが耐えられなくてベンゾジアゼピン系の鎮静薬を大量に飲んで昏睡することを繰り返す。それでいて馬鹿みたいにエネルギーがある時期があって、勉強したりゲームをしたりで夜眠らない日がある。今この記事でお気持ちを垂れ流しているのも、やや躁転気味でなにかを書き散らしたくなったからである。(もっとも希死念慮と焦燥と自傷はやめられないので、単なる躁ではなく躁鬱混合状態だと思われる。良くない。) 仕事ができるエネルギーはどこにも無いし、強い不安感で社会に出ることができない。

 

なぜ僕はこんなに面倒な病気を抱えてしまったのか。2,3年に一度は親の都合で転居を繰り返して学校を転々としていたせいか、小学生の頃海外暮らしを強いられて当時はつらくなかったのだが子どもの内面に環境の大きな変化による苦しみがあったせいか、中学校での酷いいじめのせいか、最初の精神障害の発症から5年間医療につながれなかったせいか(これは僕が何度病院に連れて行ってくれと頼んでも「気持ちの問題だから笑」と言って放っておいた親が悪い)、簡単に過去ばかり呪って、何が悪いのかわからないが、

僕は、双極性障害が嫌いだ。