初めて全校考査で1位という順位を見ての雑記

 最近世の中は複雑だなあって哲学的なことばかり考えるようになったけれど、やっぱり自分は普通と違うんだと思う。べつに普通を目指してるわけじゃないからそれでもいいんだけど、普通になってみたいなって思うことがある。人間やっぱりないものねだりなんだね…

 こんなほんわかした気持ちでいながら、突然前の奴の背中を蹴り上げたくなる。学校から飛び出してどこまでも行きたくなる。勉強せずに1年間遊びたくなる。イライラしているのか苦しんでいるのか自分でもよくわからないけど、何かがほしくなってしたくなって、結局逃げる先は自傷。衝動は自分に向けるに限る。

 同じ理由で愚痴は言わない。言い訳はしないって、決めたから。担任の先生が「本当にできるやつはそつがないし言い訳はしないもんだ」って言ったから「そつがない」を目指すことにした。でも自分は不器用だからあきらめかけたことなんか何度だってある。だけどこれが言いわけなんだなって気づいたとき、黙って目指せばいいんだって思った。

 結局黙るのが好き。自分で抱え込んでいるのがベスト。

 

 今日も学校を休むのと行くのとの狭間で揺れていた。だるいし面倒だしできれば行きたくない。休むのは楽だから。でも1回休むと不登校になりそうで怖い。実際中学生の時は2年間不登校だった。「行けない」辛さと成績が下がる辛さで本当に苦しかった。しかも少し回復してからは勉強の遅れがなかなか取り戻せなかった。あの思いをするのは絶対いやだ。で、学校には毎日行く。かなり真面目に…

 このサイクルを壊していい子をやめればいいんだけど、いい子じゃない自分がどこにも見つからない。最初から「そつがない」を目指しているから当然だって気づいた。でも不登校の時も同じことを考えていた。あの時は何がほしかったんだろう…?

なんでも気が付くまでには時間がかかる。自分のことならなおさら。黙って何をしているかって、自分を見つめるよりも他人を観察しているほうが多い。ぼんやりしてるように見えて完全に情報収集中…いろいろな情報が手に入る。周りが話していることが情報源だけど、だいたいこっちに聞こえるような声で話している人は自分が普段話さない人だから、異色の情報が入ってくる。生き延びるために有利な情報が次々に入ってくる。大事な連絡は人より早く知る。あとから、知ってる?と確認されても、だいぶ前に仕入れた情報。

 まあ、こういうところからそつをなくしていくのが一番楽だからね…

 

そうやって少しずつベストを探しつつあるのだけれど、自分が少し変わると付き合う人が変わってくる。勉強する人はする人同士、しない人はしない人同士、賑やかにしたい人はしたい人同士…そうやって集まってるから自然と。あ、類は友を呼ぶって言うし…自分が成績20番台だったころはやっぱり20番から30番台の人と話していた。今、一桁の順位が当たり前になって、今まで話していた人とだんだん離れてきた。なんだか話がかみ合わない。しばらく独りでいたけれど、まもなく同じ一桁の人を見つけて一緒になった。話が合う。見事なほど。

つまり、進学校は階級社会。相対的に学力の高い人は、努力していなくても認めてもらえる。学力の低い人はどんなに努力しても学力が上がるまでは奴隷みたいな扱い。その扱いに失望するのか諦念するのか低い人は低いままだったりする。

下位の人はどう思っているんだろう。

下位は辛いだろうねって同情してもらえるだろうけど1位はそうはいかない。嬉しいでしょうと聞かれたら嬉しいかもしれない。でも1位は辛い。下手すると諦念の境地に達した下位よりも辛いかもしれない。だって上がいない。下からは自分を追い抜かそうとものすごい形相で100人近くが見上げている。自分は上を目指そうとしてもまだ誰も行ったことのない山道、標識も目標も簡単には見つからない。結局追い抜かれそうな恐怖に絶えずさらされながら霞んだ上を見上げるしかない。1位には精神力も必要かなと思う。

 

頭がいいんだねって言われるのは嫌い。頭はもともとそんなに良くないと思う。人よりも生来の出来は良くないから努力で埋めているのに「頭がいい」の一言で片づけてほしくない。これでも必死なんだ。一度は学年80位まで落ちた、数学の偏差値は50に満たなかった。そこから今まで上げてきた。すごく大変だったし、今も大変だ。自分はもともとできるのがあたりまえじゃない。それは他の上位層のほとんどが同じだと思う。

努力するのは自己攻撃の一端だと思う人がいる。要するに自分を追い込んで追い詰めてもうひとつメタレベルまでもっていこうとするプロセスが「自分で自分に辛い思いをさせる」ことを含んでいるから。自分はそう考えたことはないに等しいけれどこういう考え方もある。勉強が苦手(していないだけで本当はできると思う)な男子が言うことに基づくとこういう結論が出かねない。でも、いつもこう考えて勉強していたら辛くないのかな。

努力は遅れて効果の出る薬。そう思うようにしている。成績が上がってもいつの努力かわからないけれど、そのタイムラグが楽しい。明日以降の自分に何か残していこうと思うなら努力、自分自身へのプレゼントだ。攻撃じゃない。